おもしろかった「犬の本」のお話しPART 2
おもしろかった「犬の本」のお話しを続けます。

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3)「貴方の犬は賢いのか?」の章から・・・

異なる動物種の知能に順位を付けるのが愚かしいことなら、
同じ動物種の品種について知能に差があると考えるのは、
もっとくだらない。
動物、特に犬の知能を測定しようとしてわれわれが陥る落とし穴は、
人間が望むとおりのことをする犬に高い得点を与えてしまう
ことである。(略)犬は、ドッグショーや訓練競技会で
優秀賞を獲得する方向に進化したわけではないのだ。


4)「罪を無視することを学習してしまう」の章から・・

罰を与えるなら、効果のあるものでなければならない。
そうでなければ、犬に罰を与えているつもりが、
結果として、罰を無視することを教えることになる(略)
罰が、タイミングよく、公平に与えられているとしても、
実際問題として、悪い行動を罰するよりは、正解の行動を
誉めてあげて、報酬を与える方が、はるかに効率がよいのだ。
しかし、誉めることも又、落とし穴がある。
心を鬼にして率直に言えば、間違った罰しかたより、
間違ったほめ方によって、もっと多くの犬が台無しにされている。

5)「犬と猿、頭が良いのはどっち?」の章から・・

犬が、恐怖、渇望、躊躇、好奇心、怒り、満足、それにおそらく、
愛情のような感情を感じていると言い切ることに、私はためらわない。しかし、見たところ犬は、
懸念、罪悪感、恥、忠誠心、保護者的信条、哀れみ、共感、同情など、
他人の考えや気持ちを推量する能力を
必要とする感情は、持っていないようである。
あたかも、犬がこの種の感情を持っていると確信させる行動をしても、その都度
やはり間違っていた」と思わせられる。
希望的な信念を無惨に打ち砕くようなことをするのだ。
(中略)ここに述べたことに腹を立て、歯がみしている
多くの愛犬家がいることを、私は覚悟している。
犬たちが、飼い主に対する忠誠心、
飼い主を守る気持ちを抱き、飼い主と共感している、
と感じるのが常識であって、それに反対するのは犬の尊厳を
損ねる物だと非難されるのは覚悟している。
しかし、犬には他人の考えや、気持ちを推量する能力が
欠如していると指摘することは、人間には被毛が無く、
においを嗅いで跡を付ける能力がないと指摘するのと同じ事で、
犬を軽蔑したことにはならない。


6)「犬のなわばり行動」の章から・・

複数の犬を飼っている家庭では、きわめて深刻な抗争が生ずる。(略)本来犬は出世主義だから、一つの家庭に多数の犬がいれば、
必ず或る程度は不安定になる。それでも、たいてい、犬たちが自分たちだけで事を収める。(略)ところが、飼い主が介入すると、険悪で暴力的な闘争が起こり、中の一頭がひどく傷つくこともある。
これはほぼ確実に、犬の封建的社会構造に、人間が民主主義を持ち込もうとして問題を起こす。
飼い主は、自然な感情で、下位の犬に同情し、
弱い者いじめをする優位の犬を叱り、事態を公平に収めようとする。
これでは、犬社会を根底からひっくり返してしまう。
(略)唯一有効な解決法は、民主主義と平等の原則を
放棄することである。
平和を維持するには独裁者を支持するしかない。



もっと書きたいのですが、きりがないので、この辺にします。
内容としては、

1、 なぜ人間は犬を可愛がるのか?
2、 犬がペットになるまで。
3、 犬は礼儀正しい?
4、 犬のコミュニケーションは歌舞伎だ。
5、 百万種類の香りに満ちた二色刷の世界。
6、 犬と猿、頭がいいのはどっち?
7、 奇妙な振る舞いにはワケがある。
8、 困った犬、困った飼い主。
9、  未来の犬たちへ(クローン技術とドッグショー)

以上のようになっていて、それぞれ大変興味深い内容になっています。

私が引用させて頂いた内容だけを読むと、まるで
犬を可愛がってはいけない、犬に騙されてはいけない。」
警告する内容のように感じる方もいらっしゃるかと思いますが、
読み終わって感じたことは、著者の犬に対する熱くて深い愛情でした。
犬の本質、しつけ方法、接し方、遺伝的な病気、純血種への警告など、
いろいろと考えさせられる内容でした。

私がこういう犬について書かれた幾つかの海外の本を好きなのは、
内容が深いことです。
どれも専門的な(学問的な)知識を基盤にして、尚かつ分かりやすく
書かれています。

日本の「犬の飼い方」などを見ますと、常にその内容が
薄っぺらなことに驚かされます。
色々な犬種のことが書かれていますが、どの犬種についても
家族には忠実で愛情深く可愛くて飼いやすい」と書かれています。
その犬種が育種されてきた目的や特徴などの
説明は無く、ただペットとしての見解だけをさらりと述べており、
どの犬種の説明を読んでも、どの犬種が自分に適切なのか
区別が付きません。

それと比べて、私がこれまで出会ってきた海外の本は
(ほんの数冊ですが)
大変興味深い物が多かったのです。
(勿論学問的で少し退屈な部分もありますが・・・)

北米には「あなたに適した犬種を見つける手引き書」というような
内容の本が沢山あり、流行や好みだけで、不適切な犬を
飼わないように手引きするようになっています。

この本は、本当に目が覚めるような、目から鱗が落ちるような
内容も含まれ、また原文が良いのか、翻訳者が優秀なのか
分かりませんが、大変読みやすく、楽しい文章も魅力です。

是非一度読んで頂きたい一冊でしたので、
ここに紹介させて頂きました。


次回は、私が心を打たれた「エピローグ」を紹介します。
お楽しみに・・・
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【2007/05/11 20:14 】
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