ポトマック旅行記 後書き
初めてのポトマック観戦も終わりました。
ショー終了後、バンドの演奏や、飲み物とスナックの接待が始まり
最終日にようやく陽が射した会場は、出場者もギャラリーも
皆がこの伝統ある世界最大のショーの余韻を楽しんでいました。

飲み物を戴きに行った私の所へ、LRCPの代表で
ショーの主催者であるKRISTAさんが駆けつけて下さり
「楽しんでくれた?? ねぇ、来年も来てくれる??」
話しかけて下さいました。
「勿論!!来年はもっと楽しめるよう、勉強してくるわ!」
答えました。
そう、来年も是非とも来たいなぁ・・
KRISTAさんと記念写真を撮り、私の初ポトマックが終わりました。


president.jpg


こうして不案内な中で、ポトマック旅行記を書き終えた今も
私は大きな感動に包まれています。

それでは、私はどうしてこんなに感動したのだろう?
何が私をこれほど揺さぶったんだろうか?

ショーの、大きさ?
出陳数の、多さ??
いいえ、そんな事では決して無い・・
私が、これほど感動したのは・・・

ラブを、犬を、愛する者の一員として、

本来のショーの在り方、
本来のブリーダーの在り方、
本来のジャッジの在り方、
・・を目の当たりにした・・・そんな感動だと思います。

日本の犬界は遅れている・・沢山の人達から聞かれる言葉。
それでは、一体何が?
どういう風に遅れているの?
それらの答えを見せてくれたのが、ポトマックでの4日間でした。

「後書き」が一番長くなりそうですが、私の感想文を
書かせて頂きます。

勿論今回は、この世界最大の単独展で講演をさせて頂いたと言う
名誉と誇りが、私の中に在った事も確かです。
それが大きな感動の一因で在る事は認めます。

けれども、それを超える原因として
アメリカのブリーダー達の熱心さには、頭が下がりました。
セミナーで講演された各専門家の方々の内容が
余りに進んでいる事には、正直少しだけ疑問も持ちました。

私にとって、本来は家族であるべきラブ達を
そこまで科学的に管理して良い物だろうか?と言う疑問。
但し、良い部分は進んで受け入れて行こうと思いました。

また被毛の管理については、英国でも同じです。
もう8年以上前に、バルライオン犬舎のジョン氏に
初めて「一切シャンプーしない」と聞いて、ショックを受けた私。
その時は、多分バルライオン犬舎だけなのだと思っていて
後から、ブースゲートのデービッド氏にその事を話すと
「マリリン、ラブを洗うなんて聞いた事あるかぁ~?」って
言われて・・「そうか、みんなシャンプーしないんだぁ」って
初めて納得した次第でした。

換毛や抜け毛を、なるべく防ぐために (多分その理由で)
アメリカも英国も、一切シャンプーはしないとの事。
これは気候や環境の違う日本では、少々無理があると思います。
また換毛は自然現象なので、無理に止める事には疑問を感じます。
人間も「単衣・袷」と季節によって着る物を変える。
これは日本では仕方ないのでは??
近年冷暖房の普及により、犬の換毛サイクルに狂いが生じていると言う
番組を見た事もあります。
やはり私は、自然に抜ける時には抜ければ良いと思っています。

この旅行記で、何度も書いた体格の事。
アメリカのラブの太り方を考えるとき、やはり少々の無理は感じます。
ただし彼らの名誉にかけて言わせて貰えば、太っているけれど
動きは素晴らしく、決して脂肪太りではありません。
英国のラブに比べても、動きを含めた健全さは上だったと思います。

日本では、どうしても「太らせない事がベスト」と言う定説が
ありますし、現にアジアでは下痢のため体重を落としてしまった
ジャスミンを見て、私が「もう少し太らせないと」というと
「あれ以上体重を乗せたら駄目でっせ」というご意見も頂戴していました。

獣医さんも、その殆どが「太りすぎ」を警告していますし
ショードッグとして管理している我が家のラブ達は、
いつも「ちょっと太り気味ですなぁ」と警告されます。
(あっ、先日ダイちゃんが獣医さんで">「体脂肪」を測って貰いましたら
17という数値で「いい感じ」でした。
もう、お年 (今年9才) なので、6ヶ月かけて
3キロ落としたのよん。
「私も測ってぇ~」と頼みましたが「組織が違う」と拒否された?!)

私は昔から「痩せているより太めの犬が好き」なので
アメリカのラブを見て、適切な管理下では自分の管理 (基準) を
もう少し弛めても良いかな?と感じました。

勿論アメリカのラブ達は、被毛を保っているので、
それで少し太めに見えてしまうと言う事も
考えなくてはなりませんが・・


そして肝心のショーについて。は・・・・

ショーの規模に拘わらず、ここで見たショーの在り方は
環境や気候(??)を問わず、日本でも必ず見習うべきだと感じます。
余りにも大きな課題なので、上手く説明できませんが・・・

犬種の別を問わず、本当に自分の愛する犬種を懸命に
可愛がり (色々な意味での管理も含めて可愛がる事です)
その結果として、ショーに出してくるブリーダーのため
ジャッジは、それに最低限の敬意を表して
本来の審査をするべきだと思います。
そしてリング内での審査は、ジャッジの方々の知識、力量
センスなど、あらゆる事を発揮する場である事を
どうか忘れないで頂きたいと、切望します。
十把一絡げで言い切ってしまう事はできませんが
多くのジャッジが、時々不透明な審査をするため
ショーがおもしろくなく、本来のショーの在り方から
大きく外れている事を感じる事があります。
(思い切って書きましたぁ・・)

そして今回は、出陳者達がお互いの健闘を讃え合う姿にも
深い感動を覚えました。
「負けて嬉しい」人は居ないだろうし、人間なので
誰でも心の中には様々な感情があり、犬界も裏には
私の知らない様々な裏話があるのかも知れませんが
少なくとも、ショードッグ達の「ショーマンシップ」は言うに及ばず
人間のショーマンシップも学ぶ事が多かったです。
誰でも自分の犬が一番可愛いし、自分の犬が素晴らしいと
思わなければ、犬を続けては行けないと思っていますが
せめて私達は、フェアーなショーマンシップを忘れずに行きたいと思います。


また日本では、犬界に携わる方々が、ビジネスオンリーの目標を
懸命に追求されている姿には、感動さえ覚えます。
これは「嫌み」では無く、私はいつも自分と違う考え方に接すると
本当に感動してしまう癖があるのです。

今回のポトマックでも、ラブに関して日本の或るブリーダーさんの話を
聞いて驚いた事がありました。
私のように、趣味でやっている者とは違って、それで生計を
立てている以上、甘い事は言ってられないのだと思いますが
またいくら愛していると言っても、趣味でやっている私達だけでは
果たしきれなかったような大きな成果が、プロの方々によって
成し遂げられたと言う事も、沢山あります。
しかしせめて犬質以前に、健全さだけは保って欲しいと思います。
そうでなければ、プロの方々による偉大な成果も台無しになり、
これは罪でしか無くなります。

そして犬を飼う、一般オーナーさん達も(多分日本に於いては
ショーをしている方よりも、ただ可愛いからとペットで飼っている
方の方が、断然多いと思いますので)
自分の飼っている犬種、
また飼おうと思っている犬種の特徴位は、せめて知ってから
接して欲しいと切望します。

一般に繁殖屋と言われてしまう方々を、ある意味非難する事と同時に
知識のないまま、流行や思いつきで犬を飼う人々がいるからこそ
そういう悲しい現実が、いつまでも無くならず、横行している事も、
きっちりと考えなくてはなりません。
需要と供給の、片側だけ考えても意味がないのだと思います。
そしてこれには私達ブリーダーは勿論ですが、プロの方々が本来の犬の
情報を適切に説明し、きちんとオーナーに伝えて行くと言う
最低限の配慮が不可欠です。
売れれば良い、と言う考えは命に対する罪だと思います。

そして幸いにも、ラブに出会い、ラブを愛し、ラブを伴侶として
考えている私達ブリーダー達は、これからも
本来の意味で「良いラブ」を作り、「良いショー」
開催し、少しでも日本の現状を進めていくため努力しなくては
ならないと、深く感じました。
これは一人では出来ないので、クラブ主催者の皆さんは勿論
沢山のラブ仲間のご協力も、お願いしますね!

お話ししたい事は、際限なくありますので、ここでは言い切れません。
また個人的にゆっくりお話ししましょう。
あまりに沢山の事を考えさせてくれた「アメリカのラブ達」です。

私は今年から9年ぶりにブリーディングを再開するのですが
今回のポトマックで、その将来が広がった事に感謝します。

そしてポトマックでの講演を通じて、日本のラブ仲間との交流が
深まった事に、感謝します。
日本のラブ仲間達が、私など足下にも及ばないほど勉強されていた事を
知って、とても影響を受けた事にも感謝します。
ラブ仲間達の沢山のご協力に、改めて感謝します。

本当にご多忙な中、私の講演のため、貴重なお時間を割いて頂いた
JAHDの先生方には、ここで改めて感謝の意を述べさせて頂きます。
忙しいので1時間くらい・・とのお約束にも拘わらず
結果4時間に渡り、色々と教えて下さった先生方。
そして、講演のためのパワーポイント資料も作って下さいました。
本当にありがとうございました。

またポトマックのリングサイドで、イヤな顔もせず
私に付き合って下さったTANAKA氏に、感謝します。

これからも頑張って、みんなで本当の未来を作りましょう!

近畿は幸いラブのブリードジャッジです。
沢山の仲間達に再会できる事を、とても楽しみにしています。

最後に今一度、この言葉を・・

“Hope cannot be said to exist,
nor can it be said not to exist.
It is just like roads across the earth.
For actually the earth had no roads to begin with,
but when many men pass one way, a road is made.”













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【2007/05/06 11:49 】
未分類 | コメント(2) | トラックバック(0)
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コメント
こんにちは~。
ポトマックのレポート、とても興味深く見させていただきました。
なんだか、自分もその場にいたような感じで感動がとても良く伝わってきましたよ!

イギリスのショーとの違いなどもしありましたらアップしていただけるとうれしいです。
基本的には変わらないような気がしますが・・・。

アメリカは科学的な面は、すごく進んでますよね。おそらく、国民性だと思うのですが・・・。あと日本と欧米の獣医師の地位の違いも大きいと思います。

では、また近畿インターでお会いできるのを楽しみにしてます!
【2007/05/07 10:35】
| URL | MIEKO #-[ 編集] |
千葉さん
ポトマック旅行記、楽しく、興味深く読ませていただきました。講演についても、最初はどんな内容を話すのだろうと心配していましたが、日本の現状についてポイントをついた内容だったと思いますし、最後の引用には心を打たれました。
   千葉さんが観戦記の中で何度も触れていますが、アメリカのラブの太さについては、私としてはまだまだ行き過ぎの犬(置物の犬)が多いと思います。簡単なことなんですが、その犬が、原野や薮の多い林の中で、倒木を飛び越えたり、川や湖に入りながら、1日中、効率良く、的確に獲物をレトリーブをする姿を想像してみて下さい。太すぎる骨、深すぎる胸、短い胴が果たして作業に向いているかどうか。太った熊みたいなラブが本当のラブかどうか。
   イギリスでは、その辺を意識してブリーディングしている人が確実にいます。  ラブラドールは中庸の犬です。
  
【2007/05/17 17:25】
| URL | ATERUI-NOBU #-[ 編集] |
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